Daigasエナジー株式会社 訪問報告書
訪問日:2017年9月19日
ー 取材を終えて ー
生み出される製品自体に目が行きがちですが、製品の品質には設備や機械で支えられている部分もあるということがよくわかりました。また、炎の形状や性質が、ガラスに影響を与えるということも初めて知ることができ、大変勉強になりました。
■Daigasエナジー株式会社のガラス工場への取り組み
1970年代まではガラス工場では重油が多く使われていたが、単独窯、連帯窯用の都市ガスバーナーを開発した。ガスバーナーはガラス向きではないと言われていたが、実地テストを繰り返して実用化を目指した。 1980年頃からは蓄熱式タンク窯用ガスアトマイズバーナーを開発し、ガス専焼炉も増えていった。 1990年には蓄熱式タンク窯用ガス専焼バーナーを開発した。また、2007年にはタンク窯用酸素燃焼バーナーを開発し、省エネにも取り組んでいる。
■ガスの優位性
ガスが使用されるようになる以前に主流であった重油は、重炭素分が多く炎の輝度が高く伝熱性が高い。 しかしながら、危険物であるため、受入設備や管理が必要となり、ハードルは高かった。また、環境面でも煤が多く出るなどの課題もあった。
一方で、ガスは重油に比べ炎の輝度輻射レベルが低いため、ガラスの溶解性が課題であった。しかしながら、バーナーの開発を繰り返し、多くのガラス工場で採用されるようになった。 ガラス製造においては、炎形状が重要になるが、ガラスの種類や、炉の形状でバーナーが変わるため、お客様ごとの仕様にあったものをオーダーメイドで開発している。
■今後の展開
バーナー開発においては、実地テストを今なお繰り返している。溶融設備やお客様ごとに開発をし、製品のニーズに応えている。 また、近年では特に省エネニーズも多くあるため、酸素燃焼バーナーをはじめ省エネ化にも力を入れている。
■大阪硝子工業会の入会して
大阪硝子工業会の会員の中にはDaigasエナジー株式会社を利用しているところは多く、情報交換の場にもなっている。また、工業会では対外的なイベントも多いため、 これまで取引のなかった会社も含め顔が広くなるきっかけにもなったと感じているという。