セミコンジャパン2022 視察報告
2022年12月18日
目的
台湾半導体メーカーの日本工場建設が大きな注目を集め、折からの半導体不足の状況と相まって、半導体の国内生産が取り上げられる状況にあるため、その実情を視察することと、ガラス製品の要求について調査することを目的に出向いた。
1.展示内容
1)最寄駅から会場に向かう際、パトカーや警察官の数が多いのが目についたが、戻ってからニュースで岸田総理が開会セレモニーに来場していたことを知った。知る限り総理大臣がセミコンに来たという話は聞いたことが無い。
2)会場に入ってまず感じたのが、日本企業(生産設備、材料他)の多さである。
3)ここ10年以上、この手の展示会では中国をはじめとする海外企業の出展が目につき日本企業の数を上回っていたとが通例であったが、1980年代に戻った比率である。
4)また、地方を含む大学の研究室で半導体に関する基礎研究成果の展示ブースがある一角にかたまって有、学生が説明員を担っていた。その数の多さに驚き、半導体業界の産学合同研究の活発さがうかがわれた。
5)このコーナーでは企業による学生への企業説明会が実施されており、人材確保に向けた新しい取り組みと感じた。
2.ガラスとのかかわりについて
1)ガラスとしての展示は、日本電気硝子がサポートガラスの展示を行っていたくらいで特に目立った展示はなかった。
2)ガラスインターポーザの情報を得ることも目的の一つであったが、DNPが扱っているとの記載があっただけで、具体的なサンプル等はなかった。
3)有機半導体の展示が数社あり、これの基板はガラスになっていく可能性を感じた。
4)近年の展示会と比較して、携帯端末、スマートフォンをターゲットにした展示物が少なくなっていたが、5G後の6G対応でのPWB高精細化には、PWBの2.5Dもしくは3D化が必須になるようで、ここに向けたインターポーザではガラスの要求が出てくるかもしれない。
3.全体として
1)半導体そのものに対してのガラス加工品の具体例としてはまだ目にするものはなかったが、逆に言うと今時点での情報収集が非常に重要になる時期であり活発に動く必要性を感じた。
2)確実に半導体は国内回帰の動きが感じられる。この業界の動向を見極めることは、他の産業の国内回帰とそれを後押しする要素が何なのかを探索する必要性を感じた。
3)また、大学との関係については我々も十分参考にすべきと思われる。