環境展・地球温暖化防止展 視察報告
2022年5月31日
概要:東京ビッグサイトで開催された環境展並びに地球温暖化防止展を見学した。東ホール1~5までを使った大きい展示会で、3日間の来場者数は(主催者発表)であった。ガラスに関しては、廃棄物のガラスの種類の選別や、ガラス廃材の有効利用、そして、窓ガラスの赤外線カット機能付与の展示があった。
株式会社リョーシン
回収したガラスカレットの分別を行う装置の展示していた。色彩カメラとセンサーを組み合わせて、色、形状によって材料を選別し、エアーバルブにより分類するとのことだった。センサーは、色彩、金属センサー、UV、近赤外があり、それぞれ、ガラスの色分け、金属の除去、鉛ガラス・耐熱ガラスの除去、そして、樹脂類の除去ができる。基本的に搭載できるセンサーは2種類で、必要に応じてセンサーを使い分けることで、投入したカレットを2種類に分別する装置だった。
ガラス発泡資材事業協同組合
市中から回収したガラスくずを原料にして、多孔質の発泡資材に作り変える会社の組合。元々は沖縄県の会社がこの製造装置を開発し、いくつかの業者に販売していたが、ガラスくずは市町村の清掃事業から請け負うことが多いので、全国組織の組合にすることにより、一層官民一体の体制を目指しているものと思われる。
製品は、コンクリートやアスファルトの盛土や屋上緑化施設の土の代用品として使われる。現在、ガラスくずは有料で引き取っているので、事業として成り立っているらしい。また、原料にできるガラスくずは基本的にびん類を想定している。
廃ガラスリサイクル事業協同組合
廃棄された太陽光発電パネルのリサイクル業者の団体。廃棄パネルから電極・電線を取り外し、アルミの枠を解体、そしてガラスをバックシートやセルから剥離し、不純物を選別除去することで最終的にガラスの粒が得られる。粒の大きさは3~6ミリ程度。バックシートからガラスを剥離する工程が一番のポイントらしく、ヘラのようなもので物理的にはぎとるらしい。こうすることで、ガラスの角が丸くなった状態で剥離ができる(車の窓ガラスが割れた際のような)。サンドブラストで剥離する業者もあるが、そうすると角が尖るので(?)こちらの方が優れているという説明を受けた。回収したアルミや電線はそのまま原料として販売でき、バックシートは銀の回収ができる。回収ガラスの用途は、グラスファイバー、ガラスビーズ(道路や太陽光発電施設の地面の散布)、発泡ガラスということだが、回収ガラスの用途開発が課題と思われた。これから太陽光パネルの廃棄が増えるので、必要な事業と感じた。
株式会社ZERO
窓ガラスにコーティング剤を塗布することにより、太陽光の赤外線を吸収遮断し、室内の温度上昇を抑える製品を展示していた。分光特性をみると、700nm付近から吸収が始まり、1500~2000nm付近では3%以下のレベルまで吸収している。また、紫外線も吸収しているらしい。塗布加工ということで、建物になった状態でもガラスに加工できることが強みらしい。最近、南港ATCの中央にある縦長(幅90㎝、高さ10m)のガラスにも施工した。但しこの大きさの施工ができる人は日本に3人しかいないとのことで、簡単に素人に加工できるものではないようだ。
以上