nano tech 2020, J Flex 2020, 3次元表面加飾技術展 2020, tct JAPAN視察報告
2020年2月10日
概要:InterOpto 2020を含むAll about Photonics 2020、および表面加工系の種々の展示会が東京ビッグサイトで開催された。当初はInterOptoを中心にガラス関係のトピックスをレポートする予定だったが、同時開催されている別の展示会に興味深い展示が多かった。。
○王子ホールディングス株式会社
400×500㎜のガラス表面に、微細構造を加工したものを展示していた。微細構造は、円柱や円錐の凹凸で、構造の周期は5μという事だった。 加工方法は教えてもらえなかったが、ガラス以外にもシリコンにも加工でき、それは樹脂の型に応用できるらしい。微細構造はモスアイとも言われ、ほとんど反射しない表面ができるので、一部のカメラレンズに採用されつつあるが、従来はコーティング等で微細構造を形成していた。
○日本電気硝子株式会社
超薄板ガラスを展示していた。ブースには長さ1000mをロール状に巻いたガラスがあった。これはフィルムや樹脂のロールtoロール工程に投入できるので、ガラスに樹脂を張り付けることができ、自由に曲がるOLEDディスプレイへの応用が期待される。 展示物のガラスの厚みは50μで、硝材は無アルカリガラスということだった。(写真A)
○株式会社ナカサク
尼崎と滋賀に工場をもつオーダーメイドの設備製造会社だが、薄板ガラスの部分曲げのサンプルを展示していた。通常、板ガラスの一部を曲げる際に型で成型すると平らな部分も熱で変形してしまう現象が起きる。この会社の手法は、曲げたい部分のみに熱風を吹きつけるので、平面部は元の形状を保持するらしい。ソーダライムガラスの実績があり、アルミノシリケートガラスもほぼ加工の目途がたっているという事だった。 (写真B)
○九州大学 グローバルイノベーションセンター
3D石英ガラス製品を展示していた。これは3Dプリンタや成型で形状を形成できる技術らしい。通常、石英ガラスは融点が非常に高いため、成型はほぼ不可能に近い。藤野教授は新しい液を発明し、これを3Dプリンタや型で成型し、炉で焼成することで、複雑な形状をもつ3次元形状の石英ガラスを作ることに成功された。 以上。